大腸ESDを見学させていただいた。
1症例当たり時に3時間以上。1日複数症例を担当される先生もいる。
立ってるだけでも大変だよなー、と感じた。体感した。
普通のイスじゃだめだ。立ったり座ったりの動作に時間がかかるし、その動作自体がいちいちめんどくさい。視線位置も低くなるし、フットスイッチも使いずらくなる。
執刀中、基本は立ってやる。緊張を解けるちょっとした時間だけ、チョコンと体重をかけ足腰を休ませられる。「よしっ、いくぞ」、サッと元の体勢に戻れるものがいい。そのためには、シート位置が高くて、足の位置を変えずに立ったり座ったりできなきゃダメだ。そうそう、内視鏡医は腕や体幹を傾けた時のバランス保持や繊細なフットスイッチ操作のために足の自由度も大事。足元空間は広く、起立時の足とフットスイッチを配置するスペースを確保しよう。
足元空間が広く、足を自由に動かせせてチョコンと腰を下ろせるもの。
「うーん、自転車だっ!!」
信号待ちの時、シート(サドル)に腰掛けながらも両足を地面につきバランスをとっているときのあの状態。
自分の自転車のサドルに、ポールをくっつけよう。
土台は金属製の丸い板がいい。加工業者さんに注文すれば簡単だけど高いよなー。何かないかな。。。
「(ボクシングジムで使う筋トレの丸井バーベルを見て)あった、これ使おう!」
ネットショッピングで1500円(2.5kg、2個セット)。バーベルを土台に使うことで全体の重心が下になって倒れずらくなった。ちょうどいい。
笑われるかもしれないけど、内視鏡の先生にちょっと試していただこう。
「いいかも知れないね」
未熟な試作品でも笑わずに、そのアイデアのコアをすぐに悟り、将来の最終製品が院内で使われているところをイメージしならがら評価してくださる先生は本当に宝だな、と常々感じています。ご評価いただき、ご縁をいただき、本当に感謝しております。
- 販売価格はこれくらいだろう。だから、これくらいで作れるようにしなきゃ。
- 後ろに倒れたら大変だ。後ろ側には”支え”をつけよう。
- シートはどれがいいかな。いろんなタイプのシート(サドル)を買って試してみよう。
- カラーやデコレーションを選べらるようにしよう。
- 小物を入れられるバックをくっつけてみたら役立つかも。
- などなど、いろいろな試行錯誤、工夫、先生との評価を経て開発を遂行。
最終的に、意匠2件と特許1件を出願。知り合いの弁理士や弁理士候補生(弁理士試験受験予定者)に格安でご指導いただきながらそれぞれの明細書を作成。特許庁に登庁し手続き。
製品化プロセスの一環としてリスクマネジメントを実施。
その中で強度や耐久性を評価。公設試験場にてJIS規格を参考にした「静的強度試験」と「耐久性試験」を実施。無事合格。よかった。
Endoscopy, Endoscopic, Endoscopist, + CRUISER(快適に目的を完遂する乗り物)=ENDO CRUISER(エンド クルーザー、エンクル)
エンクルの製品コンセプトと基本デザインが受け入れられますように。
エンドクルーザー(エンクル)のコンセプト、よさそうだ。よかった。
第2世代の開発をスタート。
より使いやすくて役に立ち、先生方に使ってみたいと思っていただけるよりよいデザインを目指します。試してみたいことがいっぱいです。
たくさんの先生方にご指導いただければ幸いです。